映画「ラスト・サマーウォーズ」
2015年ロシア
監督:アレクセイ・ブィストリツキー
キャスト:
イヴァン・ザベーリン…ロマン・ポリャンスキー
アレクサンドル・アンドレーエフ…アレクサンドル・アレシキン
セルゲイ・マカロフ…ヴァレーリィ・オショムコフ
アリベルト・シーリン…デニス・ポポフ
秦彦三郎…ゲン・セト
オゾヒトシ…山本修夢
オゾの妻…中村しおん
玉音放送の前後の満州国の話かー。この辺よく知らないので、どの程度史実に合っているかわからないんだよね。日本人はそんなに悪く描かれているわけではないが、時代考証がユルユルな気がする。横書きを左から右に書いてるとことか、オゾ(どんな字を当てるか不明)が
「中国人、韓国人、ロシア人、彼らは皆、日本人が大嫌いです!」
とか言ってるとことか。韓国ができたのは戦後だろ。でもまぁ、かなり頑張った。日本人役者がたくさん出てるからかな?
あと、関東軍の戦車の張りぼて感がすごかったが、本当に張りぼてだったかもしれないしなー。
この頃ソ連も日本もダグラス社製の飛行機を使ってて、形では見分けがつかないからハルビンまで飛行機で潜入するって作戦なんだけど、これ本当? 教えて!ぐのたの人!
日本だとたぶんアウトなチャンコロとか台詞に入ってるのも、ロシア映画ならではかもな。当時の雰囲気を生々しく伝えるには、聞くに堪えない汚い言葉もバンバン入ってしかるべきだろう。映画と現実の見分けのつかないアホが日本人は大陸では、常に礼儀正しく振る舞ったとか勘違いしても困るし。
それにしてもロシアの見方がわかってなかなかおもしろかった。日本側からの見方だと、日ソ不可侵条約を破ってソ連が一方的に侵攻って見方しかされてないけど、ドイツとの戦争が終わって故郷に帰れるって喜んでる兵士にしたら、やりたくない戦争だよなぁ。しかも、天皇が無条件降伏を受け入れるって放送したあとだし。ソ連的には、世界の共産主義の盟主だから、お上の決定に逆らって満州から絶対に撤退しない覚悟の(とソ連は見ている)日本の軍隊を駆逐して、中国の独立を助けなきゃならないわなぁ。もちろん、スターリン(最後にちょっと出てくる)の意図は別にあるにしてもだ。
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1944年にカレリア戦線で無意味な作戦で多くの部下を死なせたザベーリン。死んだと思ったマカロフとアンドレーエフはドイツ軍に捕まったあと逃げて生きていた。捕虜になったら敵国のスパイ扱いされていた時代。ドイツが降伏したあとも、彼らは名誉回復のために満州に来て死力を尽くす。これに嫌な上官や戦場で恋愛、裏切り、中国拳法ありのTVドラマっぽいストーリィ。原題は「勲章」。
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