ドキュメンタリー「ザ・スレッド」
「ザ・スレッド」オフィシャルトレーラー
2015年アメリカ
監督:グレッグ・バーカー
2013年4月15日、ボストン、ボイルストン通り。
多くの人が現場にいて、また、中継を通じて目撃したボストンマラソン爆弾テロ事件。
目撃しただけでなく、観客やマラソン参加者の多くが、スマートフォンなどであらゆる角度から爆発の一部始終を動画・写真に撮っていて、即座にインターネットに投稿した。
既存のメディアが、おそらくウラ取りしていたからだろうが、「最新情報」がなかなか更新されない間に、当事者からの直の情報が続々と書き込まれるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に、多くの人のアクセスが殺到した。
その中でも、翌日には犯人探しのスレッドの立ったことが確認されるソーシャル・ニュース・サイト、レディットでの出来事を中心に話が進むドキュメンタリー。
レディットのスレには、既存のマスメディアよりも早く死傷者情報が流れていた。そんなことから、「既存のマスメディアの時代は終わった」と息巻くレディットの住人たちが、警察やマスメディアより先に犯人を見つけようと犯人探しに血眼になって、ネット探偵たちが自分たちの推理を顔写真、実名入りで書き込み、「犯人」と名指された人物(もちろん無関係)が、自殺死体で発見されるという最悪の結果に……。
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なんだか日本でも見たような光景だよね、これ。
既存のマスメディアを「マスゴミ」呼ばわりしてる連中が、しょっちゅう犯人探しして住所氏名晒す「魔女狩り」をやってるような気がする。つい最近も、ぜんぜん関係のない会社に嫌がらせ電話が掛かりまくって仕事にならないっていうニュースを聞いたばかり。まさにゲスの勘ぐり。このドキュメンタリーの中で、スレの管理人が
「ここで容疑者にされた人々はほぼ確実に無実だ。無実の人間を犯罪者扱いするな。」
と警告してることが的中ってところ。まぁ、この事件は犯人扱いされた人物が、事件の起こった時には既に自殺していたってことだが、スレでの犯人捜しで自殺まで追い込まれる人だって出そうな勢いだ。どっちにしろ、この事件でも残された家族は二重に苦しめられたってことだもんな。実に無責任で酷い話だ。
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