ドラマ「マンハント: ユナボマー」
ドラマ「マンハント: ユナボマー」オフィシャルトレーラー
2017年アメリカ
原作・製作:アンドリュー・ソドロスキー/ジム・クレメンテ/トニー・ギッテルソン
キャスト:
ジム・フィッツジェラルド(フィッツ)…サム・ワーシントン
テッド・カジンスキー(ユナボマー)…ポール・ベタニー
スタン・コール…ジェレミー・ボブ
フランク・マカルパイン…ブライアン・F・オバーン
ドン・アッカーマン…クリス・ノース
ナタリー…リン・コリンズ
デーヴィッド・カジンスキー…マーク・デュプラス
いやはや、ユナボマーの事件が担当したプロファイラーが精神汚染(エヴァンゲリオン的に言えば)されちゃうようなケースだったとは知らなかったなー。何年も捕まらない爆弾魔、捕まえたら解決のように思ってたけど、終わりじゃなかった。プロファイラーの方が壊れちゃってる所から始まるんだからびっくりよ。
しかも、ユナボマーのあの似顔絵は印象的だったから、覚えているけど、それが「歪められた」というか、記憶のイタズラの産物で犯人とは似ていなかったとは。
それにしても、フィッツのユナボマーへの執着は異常だよね。特にテッドの手紙を内緒で見せてもらったあたりの興奮ぶりにはどん引き。
この辺で、子供を放り出して妻に見捨てられ、せっかく力を貸してくれた同僚をクビ(降格?)に追い込み、デーヴィッドの家に強引に押しかける。ユナボマーの文章を読みすぎてその気持ちにより添いすぎている匂いもする。
ここのフィッツの暴走が裁判の鍵になり、フィッツが冒頭で森の中に一人でいる理由にも繋がるから、ことさらに印象的にという演出なんだろうが、まじイッチャッタ人みたいで怖い。
このドラマで興味深かったのは、言葉が犯人特定に重要な役割を演じた初めてのケースだったというところ。「個人言語」とか言ってたかな? 個人によって使う単語や単語の並べ方、綴りの間違いのクセ、文章の書式などなどを分析して、指紋のように個人の刻印をあぶり出すっていうの。経験的には、「あの人の書いたもんだ」って文章の癖はわかるけど、それを犯罪捜査に使って犯人を見つけ出すには、刑事の「勘」では証拠にならないからねぇ。
今だと、FBIとかNSAあたりでコンピューターで瞬時に分析してそう。
この手法を歴史的文献に使ったら、『集史』イスタンブル写本のテヘラン写本より増補されているところが、ラシード本人の物かどうかわかるんじゃない?とか思ったりして。でも、『集史』自体が何人かで書いたんだろうから、無理なのかな。とりあえず、FBIとかで使ってるコンピューターにかけてどんな答えが出るか見てみたいもんだ。
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
1995年のユナボマー逮捕時と1997年の裁判時の二つの時間が交互に進む。
1995年、6年間活動を停止していてもう死んだと思われていた連続爆弾魔・通称ユナボマーが再び爆弾を送り始めた。17年間にも渡って爆弾を大学(UNiversity)や航空会社(Airline)に送りつけていたのでユナボマーという名が付いた。全く進展しない捜査に、新しい視点をとり入れようと年はいっているけど新人のプロファイラー・フィッツジェラルド(フィッツ)が配属されてきた。
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
最後は、テッドが哀れに思えるくらいだったから、あの判決は正解なんだろう。死刑にしろってむやみに言う輩がいるけど、テッドの場合は死刑より酷い刑だってのがわかる。死刑にならないって気付いて自殺しようとするくらい嫌ってた刑だもん、これなら被害者も納得だと思う。
テッドは世間に変人扱いされてても、子供の頃から好きだった森の中の小屋で、例の声明文の理想通りの生活をしていた。ある意味、彼が新聞掲載させた論文(?)の理想通りの生活ができていたんだから。テッドは「こんなはずじゃなかった」って言ってるけど、充分理想の隠遁生活に見えるんだけど? 自然の中の暮らしはむしろうらやましいくらい。それほど恨みが深くて爆弾を送らずにはいられなかったって事だろうけどねぇ。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「父は憶えている」(2023.12.19)
- 映画「深い河」(2019.12.28)
- 映画「予想外のでき事」(2019.12.22)
- 映画「ソローキンの見た桜」ららぽーとでも上映しないかなぁ?(2018.12.17)
- 映画「天才バレエダンサーの皮肉な運命」(2018.12.16)
コメント