映画「惑星ソラリス」
1972年ソ連
監督:アンドレイ・タルコフスキー
キャスト:
ハリー…ナターリヤ・ボンダルチュク
クリス…ドナータス・バニオニス
スナウト…ユーリィ・ヤルヴェト
サルトリウス…アナトーリィ・ソロニーツィン
ギバリャン…ソス・サルグシャン
ソラリスはSF映画の金字塔と言われてるけど、見てると寝ちゃうんだよねー。
これは家で見てはダメだと思い、上映会があったので見に行ってみた。これならさすがに寝ないで最後までいけるだろ。
(ちなみに、日本語字幕はないが英語やトルコ語の字幕付きのがモスフィルムの公式サイトにやけに良い画質であがってる)
その結果、今までは30分もしないうちに寝ていたことが判明……。ナニソレほとんど見てないじゃん!
言い訳になるんだけどさ、上映会では隣のオッチャンも10分もしないうちに寝息をたててた。私だけじゃない!
というわけで、ようやくソラリスの全容がわかった。
昔の東京(たぶん首都高速)のシーンが想像してたよりずっと長かった(←開始30分なのに見てなかった)。トンネルかアンダーパスの壁のタイルとか、異様な道幅の狭さとか。町の様子も昭和なので、懐かしいばっかりで頑張っても未来都市に見えないのがやや難点……。
それで内容は、ホラーを見過ぎたせいかホラーに見えちゃった。
意志を持つ惑星ソラリスが、自分に近づいてきた人類に興味を持って、その頭の中を探り、その人がもっとも気にしているモノを物質化してついてくる。
それが心にわだかまっている罪の意識だから、人によっては堪えられなくなっちゃう。で、人によっては無視したり、自殺したり。
ちなみに、自殺したギバリャンってアルメニア人だよね。アルメニア正教会っぽい建物の写真集持ってた。ギバリャンが、過去にどんな過失を犯したのかわからないが、許しを請うても許されない何かをしたんだろうね。過失で子供を死なせたとかかな? キリスト教的罪と罰の話をロシア正教でやると検閲に引っかかるから、アルメニアに託したのかな? 形式において民族主義的ならいいだろってことかも。
最後には、もっと大がかりな仕掛け(島)まで作り出して、人間側がもっとも欲しがってる「許し」を与え、自分から逃げていかないように捉えちゃうんだもん、「IT(イット
)」のペニーワイズとあんまし変わらん。まぁ、補食シーンはないし、「食うんだろうナー」と思っちゃうあたりがホラー見過ぎな人間の妄想なんだけどね。
でもさ、食わないにしても興味を持った人間が逃げないように虜にしておくんだから、十分ホラーだと思うんだけどなぁ?
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