映画「私はヒーローそれともヴィラン?よみがえれ勝連城」
2017年日本
監督:杉山嘉一
キャスト:
華那…福田沙紀
美鈴…大城優紀
勝連城とは、沖縄本島の真ん中ぐらいにある、勝連半島にあった城で、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つ。
映画の中で、勝連城跡からの眺望が存分に見られてなかなかのおすすめ。アレを見れば、世界に開かれた窓、中継貿易で栄え、「大和(やまと)鎌倉の如し」だったってのが一目で納得できる。
最後の城主・肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)は地元ではヒーローだが、琉球王国の歴史上では、按司の位を奪った簒奪者であり、尚真王に伐たれて滅んだ(1458年)極悪人扱いだそうな。
映画のストーリィは、その「一人の人でも、立場の違う人が見ればヒーローにもヴィランにも見える」という辺りをモチーフにしている。王道と言えば王道のストーリィだから、そっちに気を取られないで、自然に阿麻和利と勝連城に対する地元うるま市の思いを感じられるこういう映画も良いかも。
ちなみに、この阿麻和利の時代ぐらいが勝連城の最盛期だということだけれど、この勝連城址からは、古代ローマやオスマン朝のコインが出土している(このコインは、古代オリエント博物館の「【開館四十周年記念特別展】シルクロード新世紀 — ヒトが動き、モノが動く —」で展示されるらしいぞ)。なんか時代がバラバラな気がするけど、貿易港としてずっと栄えていたということなんだろうか。城自体は、阿麻和利が敗れたときに廃城になったが、その場所は後の時代も使われてたってことなのかしらん???
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