「天才バレエダンサーの皮肉な運命」トレーラー
2016年ロシア
監督:アンナ・マチソン
キャスト:
アレクセイ・テムニコフ…セルゲイ・ベズルーコフ
キアラ…アナスタシヤ・ベズルーコヴァ
ヴァレーリィ・ゲルギエフ…本人
ドミートリィ・フルスタリョフ…本人
キアラちゃん役の子、ものすごくかわいいな。容姿もかわいいんだけど、大喧嘩してたと思ったら、パパからのプレゼントでコロッと態度が豹変! 機嫌が直っちゃう。基本的にパパ大好きっ娘なところがかわいい。
演技うまいなって思ってたら、ひょっとしてベズルーコフの本当の娘なのか? そりゃあ「パパ好き」がにじみ出る罠(笑)キアラのおかげでこの鼻持ちならない天才テムニコフが、憎めないやんちゃ坊主(キアラよりお子ちゃま)のように感じられた。だから、ところどころちりばめられてたギャグが素直に笑えた。
ちなみに監督もベズルーコフの奥さんなんだって。
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アレクセイ・テムニコフは、自他ともに認める天才バレエダンサー。20年前に、舞台で転倒して背骨を痛めてからは、故郷の町でバレエ教室を開いている。
そんなある日、昔つきあっていたバレリーナから自分の娘だというキアラという子を紹介される。しかし、キアラがバレエを習いたいと言っても、
「おまえには才能のカケラもない」
等々ひどい事を言う。
しかし、テムニコフの背骨はあれから確実に悪化し続けていた。
医者の意見では、このままではあと数ヶ月で確実に車いす生活だろうという。踊れなければ死んだ方がましだと思ったのか、入院を拒み続けるテムニコフ。焦りを感じつつ後進を育てようとしたり、自分の脚本(振り付け?)をボリショイ劇場に売り込みに行ったりするがうまくいかず……。
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今年10月に「ロシア映画祭in東京」で上映されたときに、字幕がずれる不具合があったとかで再上映になったので見に行ってきた。
上映後、映画評論家の杉浦かおり氏、映画監督の井上雅貴氏のロシアの映画事情についてのお話があったが、そこで言われていた「ロシアは才能ある人に、大金持ちがポンと大金を出す文化がある」というのと通じるものがある。
テムニコフみたいな自分の天才を鼻にかけて傲慢な人は、実際に身の回りにいたら面倒くさい事この上ない。映画の中でも昔の女(キアラの母)にも、近所の人にも嫌われまくってるんだけど、一方で彼の才能に対して活躍できる舞台を与える人がいる。日本だと、規範意識が強すぎてこういう天才肌の人は叩かれまくって潰されるのがオチのような気もするが、一応タニマチという言葉はあるんだよなー。
だったら、私にも誰か売れっ子作家から、「オレは今度チンギス=ハンの小説(漫画)を書くから、資料用に『チンギス=ハン紀』翻訳してくれ」とかなんとか言って、ポンと大金をくれないものかな(笑)。


上映後の講演で出た映画のタイトル↑
ポルーニンは、テムニコフのモデルではないかとも言ってたな。
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