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2019年12月18日 (水)

映画「ハラフ・オディ」

「ハラフ・オディ」オフィシャル・トレーラー

2019年ロシア(ハカシア)
監督:ミハイル・メルズリキン
キャスト:
マクシム・スルトレコフ
アリーナ・マイナシャエワ
スヴェトラーナ・チャフトゥイコワ

 ハカシアでの公開は今年の12月末だそうで、日本ではそれに先行しての公開。(ロシア初公開は「アムールの秋」だそうな)
一人称視点が斬新な映画だが、たぶん若い世代やゲーマーには、こういう感じの視点で未知の世界を冒険をして行くってのは、見慣れた画なんだろう。

 

 ハカス神話をモチーフにしているということだが、最後の方でラスボスっぽく出てくるエルリク・ハーンは、他のシベリア神話でもおなじみの神ですな。トレーラーにも出てるが、シベリアではああいうイメージなのか……。でももっと上位の神がいるっぽく「俺たちの冒険は終わらない!(未完)」みたいな終わり方だった(笑)。人気が出たら、続編がでるかも。

 主人公アイアンは肉体を伴っているように描かれているものの、シャマンの魂の旅(脱魂=トランス)を実写化したような感じ。日本では、草葉の陰で見守っている魂、転生する魂、死んだ場所でいつまでも彷徨っている魂の区別が曖昧だが、民族によってはそれらの魂に別々の名前がある場合がある。最初に出てくる魂のパーツってヤツはそういう魂の説明じゃないかな。でもそれは、あんまりストーリー上で生きていなかったような?

 下の世界に行くのは簡単だが、上の世界に行くのは難しいと言われているとおり、アイアンの旅は困難を極める。途中でいろいろな精霊に出会って助けられ(邪魔され?)、「神」を探す旅を続けた末に、不思議な老人に銀の書をもらう。しかし、強欲な兄に銀の書を奪われ、そのような便利アイテムは、かえって不幸を招くと考え、再び神を懲らしめる旅に出る……。


 アイアンは、縛られていた水の精霊スゲジを助けるんだけど、アイアンが彼女を人を助ける良い奴じゃないかというのに対し、ハレイハンが「彼女は多くの人を溺れさせ、いくつもの村を水没させた悪い女」だから罰していたのだ、という。今年日本を襲った台風を思わせるエピソード。自然の恵みには二面性があるよな。台風が来るからこそ豊かな国土でもあるわけなんだけどねぇ。

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