2018年5月17日 (木)

映画「1944 独ソ・エストニア戦線」

1944 独ソ・エストニア戦線 [DVD]

2015年エストニア/フィンランド
監督:エルモ・ヌガネン
キャスト:
カール・タミク…カスパル・フェルベルク
ユーリ・ヨギ…クリスティアン・ウクスクラ
アイノ・タミク…マイケン・シュミット

 1991年、ソ連崩壊にともない、「再独立」を果たしたエストニア。
バルト三国の一番北に位置し、フィンランド湾を隔てたすぐ隣のフィンランドと民族的にも言語的にも近く、今ではすっかり北欧の国の一員に。
 「再独立」から四半世紀しかたっていないのに、今や日本を遥かにしのぐIT先進国。例えば、スカイプを生み出したり、シリコンバレーで採用されるような先進的ロボット宅配用UGVを生み出したり。

 こういった新しいモノを生み出し、素早く世界に送り出すスピード感も、お役所のIT化がめちゃくちゃ進んでいることに起因しているらしい。
 日本の役所が因循姑息なやり方で、改革を先延ばしにしているうちにすっかり追い抜かれた。
 「エストニアは小国だからドラスティックな改革ができた」って言う人もいるかもしれないけど、それはおかしいでしょ。人口が多く経済の大きな国ほど規模のメリットが効いてくるんだから、大きな国の役所ほど電子化効率化しなけりゃあかんやん。

 エストニアが古いシステムを惜しげもなく捨て、先進システムに一新することができたのは、ソ連に押しつけられたシステムなんて、むしろ一刻も早く捨て去りたかったからだろ、と思っていた。
 でも、どうやらソ連に対する思いは、ちょっとやそっとの生やさしいことじゃなかったみたい。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

 1944年、タンネンベルグで戦うドイツのエストニア人部隊。うねうねと迷路のように掘り込まれた塹壕の中で、カールたちの部隊は赤軍と戦っていた。
 カールは、おじさんの忠告を軽視して、摘発があることを家族に知らせずにいたために、彼らがシベリア送りになったとの自責の念から、ドイツ軍に志願したのだ。激しい戦闘や戦闘の合間のわずかな気のゆるみから、次々と戦友たちが死んでいく。ドイツ軍が劣勢になるにしたがい、エストニア人の部隊も撤退することになった。タルトゥに向かう途中、塹壕を掘って赤軍を待ち受けていると、やってきたのは赤軍のエストニア人部隊だった……。

 赤軍兵士として戦闘に参加していたユーリ。「君は前途有望だから」とか何とかで、政治将校に目を付けられてしまった。まぁ、要するに部隊内のスパイになれってわけだ。ドイツ軍を追って森の中を進むうちに、ドイツ軍の制服を着た16、7歳の少年たちを発見。ドイツ軍に無理矢理に徴兵されたので家に帰りたいと懇願する少年たちを射殺するよう、政治将校はユーリに命じる……。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

 なんかいろいろダメだよね。両軍の兵士にハムだのパンだのを提供していた農民の夫婦もあれきっとシベリア送りか銃殺かろくでもないことになるんだよ。

 信念を持ってと言うか、宗教のように盲目的に信じ切ってコミュニストなり、ナチスになりになってるなら、敵に殺されても本望かもしれんけど、普通の人はただ幸せに暮らしたいだけだもんなー。これじゃあ、うまく立ち回ろうとしてもしなくても、無理だよな。下手すると、最初にシベリアに送られた家族が一番幸福だったってことになりかねん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 6日 (火)

映画「ザ・ウェイブ」

「ザ・ウェイブ」オフィシャルトレーラー

2015年ノルウェイ
監督:ローアル・ユートハウグ
キャスト:
クリスティアン・エイキョルド…クリストッフェル・ヨーネル
イドゥン・カールセン…アーネ・ダール・トルプ
ソンドレ…ヨナス・ホッフ・オフテブロ
ユリア…イディス・ハーゲンラッド=サンデ
アルヴィド・オヴェルボ…フリチョフ・ソーハイム
マーゴット・ヴァルダイ…ライラ・グッデイ

 ノルウェイのフィヨルドは相変わらず美しい。
 でも、U字型にえぐれた地形は、確かに、崩落したら即海だ。切り立った山を真っ二つに引き割くかのように稜線に走るクラックが恐ろしい。山半分の土砂が一気にフィヨルドになだれ込んだら……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 ノルウェイには、崩落の危険性がある山が300ある。そんな山の一つがある、ガイランゲル(ノルウェイに実在する村)の観測所に勤めていたクリスティアンは、石油会社に転職することになった。

 ところが、観測所へ行く最後の日に、気になる地下水の変化が観測された。
 クリスティアンの家族……妻のイドゥンと息子ソンドレ、娘のユリアは今の家に愛着がある。それなのに、引っ越しの荷造りは彼ら任せ。あの観測結果がどうしても気になって、クリスティアンは上の空だ。結局、観測所に舞い戻って(子供たちを放り出して!)アルヴィドやマーゴットたち同僚に危険をまくし立てる始末。

 アルヴィドたちになだめられ、子供たちのもとに戻ったものの、子供たちは待ちくたびれて母の勤めるホテルに行ってしまっていた。ますます、イドゥンと険悪になるクリスティアン。
 その日は出発できずに、もう一日ガイランゲルに留まることになったのだが、その晩、遂に山が崩落する……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 クラックの観測は今も行われているそうだし、まだ起こっていない津波だけれど、これこそ本当の「実話に基づく」映画だよな。
 泡だち逆巻く津波が恐ろしい。土砂が「流れ込む」なんてもんじゃない。バケツをひっくり返したようとはまさにあのこと。落ち込んだ土砂あのまんまが滝のような壁になって押し寄せてくる。津波に魅入られたようにマリアが立ち尽くしているのは、ディザスター映画のお約束で、画面のこっちから見ていると、
「ばかばかぁ、見てる暇あるか! 逃げろぉ!」
とイライラするけど、ああなっちゃうのはわかるなぁ。自分もそうなるかもしれんし。あんなの目の前に来たら足がすくむ。

 しかし、警報が鳴ってから10分じゃ、逃げる暇ないんじゃないの?
 この映画みたいに警報聞いて何だろうと外へ出てみたり、ホテルの客室を回って全員を起こしてたり、ぐずぐず言う客と口論してたりしたら、その間にバス手配して急いで乗って避難しても、出発するまでに10分くらいかかっちゃうよね?
 聞いた瞬間に脊髄反射で走り出せたとしても、海抜80mまでなめる津波だよ? きつくないか?

 あの気の毒な夫婦は、同情とか義侠心とか、平時の道徳なんてかなぐり捨てて逃げろ、という教訓なのかもしれないな。まさに「津波てんでんこ」。

 山が崩れて津波、というのはノルウェイの人たちにとっては、最も身近に迫った災害に感じられるんだろうか。チケットの売り上げは80万枚を越え、これはノルウェイ国民の6人に1人がこの映画を見た計算になるんだとか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月12日 (土)

ロシアのスペツナズが近々快適で高性能な極地用防護服を装備するらしいよ?

 局地戦ではなく、極地戦ね。北極とか酷寒の地での戦闘用の新しい装備のお話し。

元ネタはこの辺→「ロシアのスペツナズが極地用ボディアーマーを与えられる」(イズベスチヤ)

 いやいや、どこからの攻撃を想定しているのか、現状だって冬のロシアに攻め込むような無謀な国はないだろ、と思ったんだけど。今のままでもロシア軍の冬装備最強じゃないの?  冬将軍をものともしなかったのって、モンゴルとフィンランドくらいしかないじゃん。地図的にはアメリカが北から上陸して来そうな地形だけどさ。

 まーなー、スペツナズ(特殊部隊)なら、活動するのはロシア国内ばかりじゃないかもしれないけど、それにしたって、あんまり使いどころが考えつかないぞ。

 で、どんなのかっていうと、ドラグノフ狙撃銃で5~10mから撃たれても平気なヘルメットと、強風を防ぐジャケット、ズボンの一式。「アルモコム(「強化複合材」からとった社名)」の超堅牢素材センターが開発した微細な孔から水蒸気を逃がす構造になっている「フィルム状の布」でできているとか。

 この「フィルム状の布」っていうのは直訳だけど、ゴアテックスのような水蒸気は通すけど水は通さない素材のことらしい。なんて言うのかな?

 風を通さず、軽くて蒸れないから快適っていうんだけど、そういうの山歩き流行ってる日本でも売り出したら売れるかも。ヘルメットは御岳山とか火山の避難所備品用。火山弾は…防げるかな???

 ただ、ロシアの、しかも軍当局の考える「軽い」は、レジャー用途で我々の考える「軽い」とは違うかもしれないのがちょっと引っかかる。このヘルメットが世界で最も軽いっていうんだけど、総重量1kgなんだって。…重いような気がするんだけど、いろいろ付いてるとこんなもんなんかね?

 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年9月23日 (金)

映画「ヴァイキング」

ヴァイキング」オフィシャルトレーラー

2016年ロシア
監督:アンドレイ・クラフチュク
キャスト:
ヴラジーミル公…ダニーラ・コズロフスキー
イリーナ…スヴェトラーナ・ホッチェンコヴァ
スヴェネルド…マクシム・スハーノフ
ログネダ…アレクサンドラ・ボルティチ

 ロシアで2016年12月公開予定の映画。日本ではどうですかね?バイキングものだったら公開されるかな?

 監督は「提督の戦艦」の人ですな。プロデューサーは「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」「提督の戦艦」と同じ。配役はいまいちよく調べられんかった。随分前からこの映画の話は噂に聞いていたような気がするけど、製作には七年もかかっているそうな。

トレーラーの説明欄には、

中世初期、長大な剣と暗黒の血の掟の時代。支配氏族内での内紛。兄弟の突然の死の罪が大公に降りかかる。掟に従って彼に報復しなければならなくなったのは、異母弟の私生児だった。

……みたいな事が書いてあるんだけど、「大公」とか訳を付けて良いかどうかはよくわからない。教えて!ロシアの歴史に詳しい人!! これ、リューリク朝の話だよね? 映画の内容がわからないので、映画のキャッチであろう括弧書きしてあるところが訳せない。仮に訳すと、「(対外)戦争のためより、共同体の(内紛の)ために、より大きな剣が必要だった」(?)。

 一応歴史モノに分類されているし、トレーラーを見る限りでは良さげなんだけど、日本に来るかなぁ?

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016年5月16日 (月)

映画「エージェント・ハミルトン ベイルート救出作戦」

「エージェント・ハミルトン ベイルート救出作戦」オフィシャルトレーラー

2012年スウェーデン
監督:トビアス・ファルク
キャスト:
カール・ハミルトン…ミカエル・ペルスブラント
モナ・アル・ファタル…サバ・ムバラク
エヴァ・タンギー…フリダ・ハルグレン
ピエール・タンギー…ルーベン・サラマンデル
ナタリー・タンギー…ナージャ・クリスティアンソン
DG…レナルト・ヒュルストロン
ジェーソン・フォックス…ジョン・ライト
アブデゥル=ラフマン…ミリンド・ソマン

 ストックホルムで中東会議が開かれる。そこに参加するPLO首脳を狙って、スレイマンというテロリストが送り込まれた事をスウェーデンの諜報機関が嗅ぎつけた。ハミルトンはこの情報を公安警察の腕利きエヴァ・タンギーに知らせ、中東から駆けつけたモナとともにVIPの護衛に当たる。

 暗殺は阻止され、スレイマンは一旦は拘束されるのだが、逃亡してマスメディアの目の前で射殺されてしまう。それはやむを得ない適切な対応だったのだが、この後のTVインタヴューでタンギーが答えた言葉尻を捉えてマスメディアが「スウェーデンがテロとの戦いの戦列に参加」とか「女の武器でイスラム教徒を説得」とかセンセーショナルに伝えたために、大騒ぎになってしまう。

 そのため、タンギーの娘・ナタリーにも護衛が付いていたのだが、エヴァに電話を掛けている最中に護衛は殺され、ナタリーは誘拐されてしまう。ハミルトンはナタリーの後見人でもあったので、彼女を助け出すために動き出す。

 そのやり方といえば、誘拐に関与した者を殺すことも、他国の情報機関と敵対することも厭わない強引さ。それには訳があった。ハミルトンは10年前に自分の妻と子供を殺されているのだ。

 やがて、ヴェールを被り、コーランを暗唱するナタリーの映像が送りつけられて来る。ナタリーを誘拐したのはスレイマンを送り込んだサウディ=アラビアの有力者の弟ラフマンであるようだった。しかし、ナタリーは国外に連れ去られており、ラフマンの件が明るみに出る事を好まないある組織が動きだす…。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 またまた、世界最大最強の武装組織(笑)を敵に回すことになるみたいよ、ハミルトン。 前回、仕事の良いパートナーだったモナが最初から出て来て、この二人、良い感じだよな、何とかならないかな、と期待が高まった。ナタリーがベイルートに連れ去られたことにより、モナのフィールドが戦場になるしねぇ。

 戦闘シーン多めで、ハミルトンはほとんど脊髄反射でよその国の諜報員殺しちゃうけど、大丈夫なのかね、あれ。特にロンドンで殺っちゃったのはまずいと思うんだが…。たとえてみれば、日本で金大中事件みたいなのが起こって人死にが出たら、それ、日本の警察だったら目をつぶるかい? …つぶるのかな(笑)。

 いずれにせよ、ハリウッド映画でなくスウェーデンだからこういうお話になって、世界最大最強の武装組織の鼻を明かしてスカッとする訳だけど、翻って日本映画だったらこういう話はできるのか、と考えてみると、そもそも日本のその手の機関(あるのかどうか知らんけど)が世界最大最強の武装組織に敵対する(もしくはできる)とは考えにくいよなぁ。ポチでも、スジの通らないことがあれば飼い主にだって噛みつくなんて事があればスカッとするんだがねぇ(笑←もはや伏せ字になってない)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年5月15日 (日)

映画「エージェント・ハミルトン」

「エージェント・ハミルトン 祖国を愛した男」トレーラー

2012年スウェーデン
監督:カザリン・ウィンドフェルド
キャスト:
カール・ハミルトン…ミカエル・ペルスブラント
モナ・アル・ファタル…サバ・ムバラク
サラ・ランドハグ首相…ペルニラ・アウグスト
ロブ・ハート…ジェーソン・フレミング
クルトフ…アレクサンダー・ノスィク
ベンジャミン・リー…レイ・フィロン
マリア・ソルスカ…ファニー・リスベルグ
マーティン・ラガバック…グスタフ・ハマーステン

 スウェーデン諜報機関のエージェント・ハミルトンはロシア人に化けて銃器などの密輸に携わっているロシアンマフィアに潜入中である。スウェーデンのノードフォース社製ミサイルがどんな組織に密輸されるのか監視するためだったのだが、彼らがアフガニスタンでゲリラと取引しているさなか、正体が露見してしまう。始まるなりハミルトン絶体絶命じゃないか!

 …ところが、ちょうどその時現れた謎の武装集団にロシアンマフィアもアフガンゲリラも一掃されてしまった。おそらく、彼らの持っていたミサイルを最初から狙っていたのだ。あまりに手際の良さに、百戦錬磨のハミルトンも一人逃れるのが精一杯。ミサイルは彼らの手に渡ってしまう。

 しかし、本当の悲劇はストックホルムに戻ってからおとずれた。数か月ぶりに恋人のマリアに会い、この仕事も引退して彼女と新しい生活に入りたい、などと考えていたはずなのに、彼女を反射的に殺してしまう。

 掠奪されたミサイルは、ソマリアでテロに使われた。ところが、このハイテク兵器の使い方を教えた人物(ラガバック)は、ノードフォース社員であり、そもそもこのミサイルがソマリアに渡る事にノードフォースが一枚噛んでいたようなのだ。ラガバックをソマリアに送り込んだセクトラゴン社のリーはテロに加担するのが嫌で逃げたが、彼はあまりにも知りすぎてしまっていた。ハミルトンはリーを保護する事になったが、そのためにセクトラゴンの背後にいる世界最大最強の武装組織と戦うことになる。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 スウェーデンというと、武装中立国で武器も自国で色々作ってるってイメージだけれど、武器輸出にも何らかの縛りがあるみたいね。その辺を鬱陶しく思う武器メーカー・ノードフォース社が、世界最強の武装組織(←誰でも知ってる有名な組織だけれどもネタバレになるので内緒です)の力を借りて密かに紛争地域に武器をバンバン売り込もうと企んでる。その秘密を知ったソマリア・スウェーデン両首相を爆殺しちゃおうってんだから怖ろしい。でも、あの武装組織ならやりかねないよな。まぁ、スウェーデンだとパルメ暗殺事件なんてのもあったし…。「中立国」といってもその言葉の響きから受けるようなきれい事の理想論だけで済まされるものではなく、それを維持するには裏では暗闘が繰り広げられているのだ、となかなか生々しく感じられて良い映画だった。

   最後の場面、川か水路か、氷が微妙に張ったストックホルムの風景が美しく、クライマックスとも絡んでいるためかとても印象に残った。続編が作られるのが納得のでき。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月12日 (金)

映画「馬々と人間たち」

馬々と人間たち

2013年アイスランド/ノルウェイ/ドイツ
監督:ベネディクト・エルリングソン
キャスト:
ソルヴェーイグ…シャーロッテ・ボーヴィング
コルバイン…イングヴァル・E・シグルズソン
ジョン…ヨハン・P・オッドソン
ヴェルンハルズル…ステイン・A・マグヌッソン
ヨハンナ…シグリオル・M・エギルスドティル

 馬馬馬馬ときどき人間。
 シェトランドポニーよりは大きいのかな? 夏毛のせいかモサッとしてないかわいい、そして逞しいアイスランド馬の表情をたっぷり堪能できる。

(夏…なんだよな? 観光乗馬でジョンが遭難(!)して凍死(!!)しそうになる壮絶なシーンもあるんだが。アイスランドの気候ってあんななの? ひょえええ)

 今でも馬とともに生活する谷間(といっても渓谷でないので結構広い)の村のあれこれの出来事。自分の乗る馬の他にもう一頭引いて行ってるのが興味深い。換え馬なんだろうけど、必須なんだね。

 人間を乗せたまま交尾している絵がポスター等に使われているので、コミカルな映画なのかと思ったが、馬にとっては結構深刻だよな。人間に係わって馬たち、あんまりいい目に会ってないような……。

以下、激しくネタバレ。

:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

続きを読む "映画「馬々と人間たち」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月27日 (火)

映画「ヒックとドラゴン」

ヒックとドラゴン

2010年アメリカ
監督:クリス・サンダース/ディーン・デュボア

 恐竜好きなので、ドラゴンの出てくる映画?と思ってなにげなく見たらとてもおもしろかった。
 なによりも飛び方が今まで見たどんなアニメ・特撮よりリアル。ドラゴンの翼はコウモリのような皮膜タイプなのだけれども、普段は鳥のような力強い羽ばたきで飛ぶ。それでいて皮膜を利用しグライダーのような帆翔あり、魚のようなしっぽのイメージ通りの水中を泳ぐ魚のように見えることもあり。
 翼竜はこれほど自在に飛べたとは思えないけど、爬虫類好きならゼヒ見るべき。これ見ておくと、例えばプテラノドンの化石を見た後に生き生きとしたイメージが広がる事請け合い。

 主人公のドラゴン・ヘンな歯のトゥースちゃんは、にやーっとした表情がネコバスみたい。人間側の主人公ヒックに獲物を分けて得意げな表情や鼻キッス、マタタビに酔っぱらうような表現は完全にネコ。ヘンな歯もネコの爪が出し入れ自由ってのが原型だろうねぇ。

 でも、まぁ、彼らが積年の恨みを忘れて和解できたのは、人間とペットというふうに完全にカーストが固定されているからなんだろうな。もし、双方が人間で歴史を持ち、対等な関係を結ぼうとしたらうまくいかないんじゃないかと悲観してしまう。ドラゴン族と仲良くなったヒックなんかは、「裏切り者」ってことであの時点で処刑されていたかもしれない。

 そして歴史好きにはボーナストラック。
 ルーン文字でドラゴンの解説本が書かれていた!
 北欧のルーン文字には詳しくないのでよくわからないけれども、碑文の文字っていう印象があるよね。ああいうふうに本を書く時にも使われていたんだろうか。何語で書かれていたのかはちょっとわからない。ルーン文字を読める人に聞いてみたい。ノルド系の言葉で書かれていたらおもしろいのだが。でも、あのルーン文字見たときには吹き出したし、興奮したなぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)