漫画「ウイグル無頼」
2003年日本
(連載1972~1973年)
横山光輝・著
かつて、中国の西南に夜郎と呼ばれる国があった。「夜郎自大」というはなはだ不名誉な故事で有名である。
唐の時代に編纂された地理書「元和郡県図志」によると、この地方の西北部に七曲水という大河があり、更にその北に弱水という南北およそ200km、東西およそ350kmにもおよぶ大湿地帯があったという。
そこは、年中霧に覆われ、太陽や月の光は届かず、樹木が密生して、常に多湿で昼といわず夜といわず濡れていたという。
その上は鳥も飛ばず、地を走る獣もいない。ただ、夏になると毒蛇が多く繁殖するだけである。
唐代の人たちは、この周辺、そしてこの先にある、現在の雲南省にあたる地方にある河川には瘴気があるといって、非常に恐れていた。
唐の国力が盛んであった玄宗の時代に、二度にわたり大軍を送り込んで遠征を行ったが、当時その地方を治めていた南詔という小国に敗れて二度とも全滅したのだった。
命からがら逃げ帰った人たちの話によると、河川の上に黒々と渦を巻く瘴気が目に見えたといい、戦闘が行われる前に熱病(マラリア?)によって倒れた兵士も多かったという。
当時の南詔は奴隷制の国家だったといわれている。
また、大渡河の北方、金川方面に、吐蕃王家とも関わりが深い女王が治める国、東女国をおく説がある。
そういった歴史的事実に基づき、横山光輝の書いた物語がこの「ウイグル無頼」である。
空前絶後、未曾有の草原の大帝国、「大ウイグル帝国」の建国に関わる物語だという。
だがその真偽は定かではない。
<完>
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