2008年2月 7日 (木)

映画「PROMISE 無極」

PROMISE (無極)

2005年中国/香港/日本/韓国
監督:
チェン・カイコー(陳凱歌)
キャスト:
光明…真田広之
昆崙…チャン・ドンゴン
傾城…セシリア・チャン(張栢芝)
無歓…ニコラス・ツェー(謝霆鋒)
鬼狼…リウ・イエ(劉[火華])

 中国では「鬼が来た!」が上映できなかったそうだが、これが上映できたっていうのがかなりナゾ。そのあたりの非論理性が中国らしい?(笑)。

 無歓に虐殺された雪の国(チベットの異称・美称)の民の生き残りで、奴隷になっていた昆崙が、運命の女性・傾城を救うのか? っていうお話。

 ファンタジーであってアクションではないので、仕方がないのかもしれないけれども、ニコラス・ツェーのアクションをもっと見たかった(笑)。でも無歓のやらしー感じが何とも言えず…イイ!(←ニコラスファン?)
 あと、最初の方で光明が蛮族と戦うところ、蛮族が黒い角兜を付けてるのが笑った。荒くれ者=角兜っていうイメージはどこから来たんだろうか? しかし、真田広之、すっかり三枚目でござんした。

 動作が芝居がかっているっていうか、一定の型がある感じなので舞台の芝居を見ているよう。中国のお芝居(京劇とか?)を見慣れている人には、あの動作はこういう意味っていうのがわかるんだろうなぁ。それを知らない分、わからない部分もあるのだろうけれど、雪の国での虐殺シーンは、実写映像を見るより凄惨。痛い。
 もちろん、ファンタジーらしく、風俗は架空のものでチベットを思い起こさせるような点はなにもない。衣装が日本の着物風なために、かえってリアルな映像よりも自分のことのように感じるのかも知れないが、これぞ実写以上に真実をえぐる芸術の力か、と思わせる。


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2007年5月 6日 (日)

ケサランパサランのルーツがジャダだったとは

 ケサランパサラン
 子供の頃、流行った。テレビで見たのは、ウサギの毛皮のような感じで丸くなったヤツ。そのタイプは実物を見たことはないけれど、綿毛のようなのをケサランパサランという地方もあるらしく、それっぽいの(明らかにアザミの綿毛だろ、とは思ったが)を捜しては捕まえて、おしろいをやって飼ってる子もいた。
 形はいろいろでも、おしろいを食べて増える、幸運をもたらす、毛というのが共通するナゾの生き物?だったと思う。
 名前がカタカナなのに、その割には昔からの言い伝えとかがあって、そのミスマッチというかアンバランスさが何とも言えず不思議魂(笑)をくすぐったもんだった。

 最近、日本ケサランパサラン協会の公式サイトを見つけて、おっ、懐かしいと思って読んでいたら、ケサランパサランの正体についてまとめられているところを見てあっと思った。
 ケサランパサランの正体とは…「家畜動物の腸内結石」…つまり、ジャダ=タシ(ジャダ石)だというのだ。
 しかも広辞苑に出ているって。

>ヘイサラ‐バサラ (pedra bezoar ポルトガルの転) 牛や馬の腹の中から出る結石。赤黒色で、解毒剤として用いられた。馬石記「彼の>馬玉の記に、 和漢にて鮓答(サトウ)といひ天竺(テンジク)にて―といふ」 広辞苑より引用

さ、さとう…ジャダじゃん!

>さ‐とう【鮓答・鮓荅】‥タフ 馬・牛・羊・豚などの胆石、または腸内の結石。生薬とする。牛黄(ゴオウ)。馬の玉。ヘイサラバサラ。ドウサラバサラ。 広辞苑より引用


 ジャダ石を使って雨を降らす方法は、テュルクに限らず、草原に広く伝わっている。
 例えば、トルイが金を攻略したときにカンクリ人に命じてジャダ術…特殊な石(ジャダ石)を水に浸して真夏に吹雪を起こさせた、という。(ドーソン著・佐口透訳注「モンゴル帝国史2」平凡社東洋文庫pp.351-354.)
 戦時に使うと記録に残りやすいけれど、そうでなくても雨が定期的に充分に降るとは限らない草原では、貴重な雨を降らす力って、とてもありがたいものだったに違いない。
大切な雨をもたらすもの…。
 それがめぐりめぐって日本にやってきて、「幸運をもたらす」というケサランパサランの性格に残っているとしたら、とてもおもしろい。


参考文献:

岩井大慧「遊牧民族鮓荅資料匯集」遊牧社会史研究第7冊(1961年2月)
ウノ・ハルヴァ 著・田中克彦 訳「シャマニズム―アルタイ系諸民族の世界像」三省堂

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2007年3月15日 (木)

タイムラインで年表

試しに年表作ってみました。まだワクだけだけれども。

1000~っていうのがどうにも困ってしまうが、結構きれいにできそう。
横長なんでブログにはるときつい(笑)。

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2007年3月 5日 (月)

漫画「ウイグル無頼」

ウイグル無頼Uighur_2

2003年日本
(連載1972~1973年)
横山光輝・著


 かつて、中国の西南に夜郎と呼ばれる国があった。「夜郎自大」というはなはだ不名誉な故事で有名である。
 唐の時代に編纂された地理書「元和郡県図志」によると、この地方の西北部に七曲水という大河があり、更にその北に弱水という南北およそ200km、東西およそ350kmにもおよぶ大湿地帯があったという。

 そこは、年中霧に覆われ、太陽や月の光は届かず、樹木が密生して、常に多湿で昼といわず夜といわず濡れていたという。
 その上は鳥も飛ばず、地を走る獣もいない。ただ、夏になると毒蛇が多く繁殖するだけである。

 唐代の人たちは、この周辺、そしてこの先にある、現在の雲南省にあたる地方にある河川には瘴気があるといって、非常に恐れていた。
 唐の国力が盛んであった玄宗の時代に、二度にわたり大軍を送り込んで遠征を行ったが、当時その地方を治めていた南詔という小国に敗れて二度とも全滅したのだった。
 命からがら逃げ帰った人たちの話によると、河川の上に黒々と渦を巻く瘴気が目に見えたといい、戦闘が行われる前に熱病(マラリア?)によって倒れた兵士も多かったという。

 当時の南詔は奴隷制の国家だったといわれている。
 また、大渡河の北方、金川方面に、吐蕃王家とも関わりが深い女王が治める国、東女国をおく説がある。

 そういった歴史的事実に基づき、横山光輝の書いた物語がこの「ウイグル無頼」である。
 空前絶後、未曾有の草原の大帝国、「大ウイグル帝国」の建国に関わる物語だという。

 だがその真偽は定かではない

   <完>


参考文献:
Qv
東女国があったという四川省西部の写真集。
草原…はあるけど、平原…って…。

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