映画「父は憶えている」
映画「父は憶えている」
2022年キルギス/日本/オランダ/フランス
監督:アクタン・アリム・クバト
キャスト:
クバト…ミルラン・アブディカリコフ
ウムスナイ…タアライカン・アバゾヴァ
ザールク…アクタン・アリム・クバト
事故で記憶も言葉も失ってしまった父(ザールク)が、23年ぶりにロシアから帰ってきた。息子のクバトは、肉親の情から、ずっと探していた父が帰って来てうれしい反面、全てを忘れて自分の記憶の中の父のイメージとはかけ離れて、まわりに迷惑ばかりかけている(と、彼には思えた)父に困惑する。
これ、日本であっても、認知症の親に接する子供は、こんな気持ちになりそうだなぁ。
でも最後は、ボケているように見えても、いや本当にボケていたとしても、憶えていたいことは憶えているじゃん!とほんわかした気分になるね。他の、昼間っから酒飲んだり、酒飲んで自動車運転したり、金を無心したりしているオッサン(ザールクの昔の知り合い)より、よっぽどまともよ?
ゴミ集めのことも最初息子は、「みっともない」って言ってるけど、村の人たちがポイ捨てしたゴミを掃除してるだけだし、最初から悪いこととは思えなかったなぁ。まぁ、最後の方では、息子も村の人たちも、きれいにするのは良いことだ、となっていたから良かった。
映画の本題とは関係ないかも知れないけれども、この人たち、なんで食って行っているのか不思議に思った。何もないもんね。キルギスというと、遊牧民の国というイメージがあるけど、遊牧どころか牧畜も行っていないようだし。家で消費する程度の家禽や牛馬はいそうだが(鳴き声は多少聞こえる)。
水が豊富そうなので、畑かな? カパカパな土の畑は少し見えるけど、何か植わっているようには見えなかったんだよねぇ。工場とかもなさそうだし…。村のちょっと成功したヤツみたいな男も、町へ行って稼いでいるみたいだし。まぁ、でも、日本の田舎で何もなさそうな所でも、みんななんかして食ってるから、似たようなものなのかな???
しかし、ゴミ問題はすごいねぇ。ポイ捨てぶりに、こりゃヒデエ……と思った。アニメ「ルパン三世」第一期の最終回に当時の夢の島が描かれているけど、あれに匹敵する。台風やら大雨やらの後、近所の海岸に行くとものすごい量のゴミが漂着しているから、今の日本人のマナーも大差ないと思うけどね。
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