2007年10月31日 (水)

映画「シベリアーダ」

Sibiriadaシベリアーダ

1978年ソ連
監督:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
キャスト:
アレクセイ・ウスチュジャーニン…ニキータ・ミハルコフ
ニコライ・ウスチュジャーニン…ヴィターリー・ソローミン
アナスタシヤ・ソローミナ…ナターリヤ・アンドレイチェンコ
ターヤ・ソローミナ…リュドミラ・グルチェンコ
?…ウラジーミル・サモイロフ
エターナル・グランドファザー…パーヴェル・カドチニコフ
スピリドン・ソローミン…セルゲイ・シャクーロフ

 これが日本未公開とは。
 第2部だけでも充分エンターテイメントとしてまとまっているので、今からでも大きなスクリーンで上映できないものだろうか。

 たとえば、だ。
 アリョーシャが村を出て行こうとするとき、ふと立ち止まるシーンがある。なぜ立ち止まったか、最初見たときはわからなかったが、後のシーンを見てひょっとして……と思い、音を大きくしてもう一度見てみた。すると、、、

ゴゴゴゴゴゴ

うおお、すごい微かだが確かに音が入ってる。し、しかし…。こんな地を這うような重低音、パソコンのスピーカーで聞こえるかあああああ(涙)!

 あれ、映画館で見たら、シートが突き上げるように震えるね。間違いなく。この後のシーンとか、序盤のクレムリンを背景に花火が上がるシーンなんて、大画面で見たらストーリィ無しでそれだけでも感動で言葉もないと思う。ああ見てみたい…。

 確かに第1部を見ないと、最後のシーンの花束の少女の意味が何となくしかわかんないか…。死の沼とか、ターヤはずーーーっとアレクセイを待っていたんだ、とか……。
二部だけだと、エターナルじいさんのエターナルぶりがよくわからないかな? 他人の夢の中に勝手に出てきたり、充分人外ぶりは発揮されてるが、頭に鳥が留まってたりもっと妖精?じみてる。あれは、レーシーみたいなもの?

 最近のアニメとか映画では、隠し設定とかで謎を謎のままにして大して説明しないのも多いから、2部だけでもギリギリいけると思う。
 んで、あの数々の謎は何だったんだろう、と1部から通しで見る。すると、何気ないカットにも全て意味があるとわかり、それを探る謎解きのおもしろさで一作品で二度おいしい。
…なんてのはやっぱ、邪道の見方なんだろうなぁ(笑)。

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 西シベリアの某所、エラニ村。ソローミン家とウスチュジャーニン家の人々の三代にわたる愛と憎しみの物語。
 第2部では、第二次世界大戦後、復員してボーリング技師になったアレクセイが、石油を掘りにエラニ村に戻って来たことから始まる。
 先祖代々の墓のごく近くで掘り始めたことで、先祖代々の村の生活や森を守りたい村人と感情の行き違いが起こるのだが、もっと深刻な事態が迫っていた。
 世界最大級の水力発電所の建設のため、エラニ村がダム湖の底に沈むというのだ。
 石油が出なければ湖の底、しかし、石油が出たら出たで、めでたしめでたしというわけでもない。村も村人も今のままではいられない。

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 それにしてもDVDのジャケット、マキシム=ムンズクが前面に出てるけど、実際は端役だよね。
 シベリアの住人で父祖の地を守ろうとしている人たちも、ダム建設をしようとしている人たちも、石油を掘ってる人たちもロシア人で、しかも、結局はエラニ村出身の人たちの話なのだから。

 むしろ、例の彩プロのような爆裂コラの方が合ってる。その理由は……ネタバレになるので、以下へ↓

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2007年10月 8日 (月)

映画「ベアーズ・キス」

Bearskissベアーズ・キス スタンダード・エディション

2002年フランス/スペイン/イタリア/スウェーデン/ドイツ/ロシア
監督:セルゲイ・ボドロフ
音楽:ギア・カンチェリ
キャスト:
ローラ…レベッカ・リリエベリ
グロッポ…ヨアヒム・クロール
ミーシャ…セルゲイ・ボドロフJr.
ルー…キース・アレン
マルコ…マウリツィオ・ドナドーニ

 前々からそうだろうと感づいてはいた。
 しかし、やっぱりそうだったんだ…。

ロシア人=熊

 いや、それはいいとして(←いいのか?)
 これはせつない話ですなぁ。ハッピーエンドなのかもしれないが、よくよく考えてみると、ハッピーエンドじゃないような気もするしなぁ…。

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 ローラはヨーロッパ中を旅するサーカス一座の空中ブランコ乗り。団員もいろいろな国の出身でサーカスの中では、英語、ロシア語、イタリア語などが飛び交っている。
 ただ、ローラの父も母も本当の親ではなく、しかも仲が悪い。サーカス用の動物を仕入れにウラジオストクの動物商を尋ねたとき、ほんの赤ん坊の子熊を見たローラは一目で気に入り、無理をして買ってもらう。

 そのいてもいなくても良いような義理の両親でさえ、旅を続けるうちにスウェーデンで母のカルメンが去り、ドイツで父のマルコが死ぬ。

 まだマルコが生きていたとき、ローラは不思議な夢を見る。シャマンが太鼓を叩いて熊の毛皮をまとって踊るというものだ。何となく気になって見に行くと、熊のミーシャは人間になっていた。
 ローラは当然のことながら、自分の見たものを信じない。気が変になっているからそんなものを見たのだと思って教会に懺悔に行ったものの、そこで男に金を盗られそうになってしまう。この時、人間の形をしてミーシャが現れ、ローラを助けたことから二人は親密な関係なるのだった。ミーシャは、一緒に森に行こうとローラを誘ったりもしたが、その時はマルコが生きていたこともあり、ローラはついていくことを拒み、ミーシャにも一緒にいてくれと頼むのだった。

 スペインでもローラとミーシャは外でデートをしたりして二人だけの幸せを味わっていた。ある時、たまたまロマの占い師にミーシャは運勢を見てもらった。この占い師、ミーシャが熊であると見破っても別に不思議とも思っていない様子。しかも、
「彼はもうすぐ永遠に人間になる」
と予言される。森に帰れなくなるのかー、とミーシャは少し複雑な様子…。
 しかし、おきまりの展開で、サーカスの座長ルーがローラに手を出そうとしたために、ミーシャは彼を殴り殺してしまうのだ。どんなに人間側に非があろうと、人間を殺した動物が殺処分になるのは、日本でもスペインでも同じ事。ローラは、ミーシャを助けだそうと手を尽くすが…。

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 神話的な世界を描いているのだが、何となく昔読んだ少女漫画のようでもある。少女漫画はあんまり読んだ訳ではないけど(いや、本当ですって)、少年漫画に比べて結構性描写ありではなかったっけ? そういう点でも、現実離れする事を気にしない設定にしても。今の小学生がどんなか全く知らないけど、
「ここには自分の居場所がない…」
と感じる年代(小学校高学年くらいから?)と、そういう時代のあったオトナには共感を得られる作品ではないだろうか。
 それにしても、あれだけサーカスが盛んな(盛んだった?)ロシアでも、サーカスってのはもの悲しいイメージがあるのかねぇ…。

 ところで、こういう話に突っ込むのも野暮とは思うが、どうしても一言言いたい。
「ローラ、その熊、あなたより相当(10歳以上)年下なんだけどいいのか?」(そこかよー)。


参考:
Rminzokuロシア民俗夜話―忘れられた古き神々を求めて (丸善ライブラリー)
栗原成郎 著

この中の「熊形の神」が、農耕到来以前、森で狩猟生活をしていた時から存在する古い神格ヴォロース(ヴェーレス)に関連の章。その中に、熊の民話・昔話がいくつか紹介されている。


Siminwaシベリア民話集
斉藤君子 編訳

ローラの夢の中で、シャマンが太鼓を叩いて熊の毛皮を着て踊るシーンでは、ホーミー(?もっと低音)のような歌が流れるので、ここではブリャートの「熊男」を。

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2007年5月21日 (月)

映画「9000マイルの約束」

9000マイルの約束

2001年ドイツ
監督:ハーディ・マーティンス
音楽:エドゥアルト・アルテミエフ
キャスト:
クレメンス・フォレル…ベルンハルト・ベターマン
ドクター・シュタウファー…ミヒァエル・メンドゥル
カメリアフ中尉…アナトーリィ・コテニョフ
イリーナ…イリーナ・パンタエヴァ

 第二次世界大戦後、ソ連で戦犯として25年の矯正労働の判決を受けたクレメンスが、デジネフ岬にある収容所から脱走して、徒歩でシベリアを横断し、ドイツの家族のもとに帰る、という実話を元にした感動の物語。

 ちなみに、デジネフ岬というとここら辺(←Googleです)。
 …ベーリング海峡を渡ってアラスカに行った方が早い(笑)。

 実話を元にしているとはいえ、ディズニー版「南極物語」とか、「夢駆ける馬ドリーマー」みたいな「片鱗もねぇ!」っていうのもあるので、「真実の物語」とか言われてもどの程度の真実なんだか(苦笑)と、正直、あまり期待はしていなかった。まぁ、普通に感動の家族愛、お涙ちょうだいモノでもいいや、現地でロケもしてるだろうから風景が堪能できれば、と。

 でも、見てみるもんですね~!!!

 シベリアの風景が素晴らしいのは予想通りだったのだが、シャマンの不思議な儀式が興味深かった。

 雪原でオオカミにかじられたクレメンスを地元の人が助けて集落に連れて行く。で、意識のないクレメンスの裸体の上に、ぺたんとトナカイのハツとレバーを乗っけて毛皮で包み込んでシャマンが太鼓を叩いて祈るのだ。

 そこの集落の美しい未亡人イリーナが献身的に看病する、といういわばお約束のストーリィなのだが、この儀式、監督は事前にアイディアがなくてシナリオも白紙で(笑)現地のシャマンに教えてもらって作り上げたのだという。監督、サイコー!
 ただ、具体的にどこの民族かわからないのが残念。

 物語上では、比較的ヤクーツクに近いヤクーチャのどこかのトナカイ飼養民で「エスキモーみたいな民族(監督談←なんか何もわかってないっぽい?…笑)」という設定だそうだ。円錐形のチュムっぽい家に住んでいる。馬がいないのでサハではないような気はするが。

 イリーナ・パンタエヴァはブリヤート人だが、ロケ地は西シベリアで、村自体はセットで作り物なものの、村人は現地の人を動員して撮ったということだ。ウグル系なのかな? 見る人が見たら特定の民族だとわかるのかも。
 あくまでヨーロッパ人が考える「シベリア少数民族」のイメージなのであって、具体的に「どこの誰」と詮索するのはヤボなのかもしれない。でも気になる(笑)。
 それにしても、あのレバーとハツは本当に美味そうだったなぁ~。この日、偶然晩飯のおかずに豚ハツとキノコのコリアンダー風味を食べたところだったので、運命さえ感じた(爆)。

 ちょっと笑っちゃったのは、カメリアフ中尉がクレメンスを追って、シベリアから中央アジアまでやってくるのだけれども、彼が尋問しようとするたびに、クレメンスとかかわった者が不可解な死を遂げるのだ。
 クレメンス…名探偵コナンの毛利小五郎ばりに不吉な男…(笑)。


関連作品:
音楽・アルテミエフの映画→「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「ウルガ」「オブローモフの生涯より」
「シベリアード」
「鏡」「ストーカー」

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2007年5月 6日 (日)

ケサランパサランのルーツがジャダだったとは

 ケサランパサラン
 子供の頃、流行った。テレビで見たのは、ウサギの毛皮のような感じで丸くなったヤツ。そのタイプは実物を見たことはないけれど、綿毛のようなのをケサランパサランという地方もあるらしく、それっぽいの(明らかにアザミの綿毛だろ、とは思ったが)を捜しては捕まえて、おしろいをやって飼ってる子もいた。
 形はいろいろでも、おしろいを食べて増える、幸運をもたらす、毛というのが共通するナゾの生き物?だったと思う。
 名前がカタカナなのに、その割には昔からの言い伝えとかがあって、そのミスマッチというかアンバランスさが何とも言えず不思議魂(笑)をくすぐったもんだった。

 最近、日本ケサランパサラン協会の公式サイトを見つけて、おっ、懐かしいと思って読んでいたら、ケサランパサランの正体についてまとめられているところを見てあっと思った。
 ケサランパサランの正体とは…「家畜動物の腸内結石」…つまり、ジャダ=タシ(ジャダ石)だというのだ。
 しかも広辞苑に出ているって。

>ヘイサラ‐バサラ (pedra bezoar ポルトガルの転) 牛や馬の腹の中から出る結石。赤黒色で、解毒剤として用いられた。馬石記「彼の>馬玉の記に、 和漢にて鮓答(サトウ)といひ天竺(テンジク)にて―といふ」 広辞苑より引用

さ、さとう…ジャダじゃん!

>さ‐とう【鮓答・鮓荅】‥タフ 馬・牛・羊・豚などの胆石、または腸内の結石。生薬とする。牛黄(ゴオウ)。馬の玉。ヘイサラバサラ。ドウサラバサラ。 広辞苑より引用


 ジャダ石を使って雨を降らす方法は、テュルクに限らず、草原に広く伝わっている。
 例えば、トルイが金を攻略したときにカンクリ人に命じてジャダ術…特殊な石(ジャダ石)を水に浸して真夏に吹雪を起こさせた、という。(ドーソン著・佐口透訳注「モンゴル帝国史2」平凡社東洋文庫pp.351-354.)
 戦時に使うと記録に残りやすいけれど、そうでなくても雨が定期的に充分に降るとは限らない草原では、貴重な雨を降らす力って、とてもありがたいものだったに違いない。
大切な雨をもたらすもの…。
 それがめぐりめぐって日本にやってきて、「幸運をもたらす」というケサランパサランの性格に残っているとしたら、とてもおもしろい。


参考文献:

岩井大慧「遊牧民族鮓荅資料匯集」遊牧社会史研究第7冊(1961年2月)
ウノ・ハルヴァ 著・田中克彦 訳「シャマニズム―アルタイ系諸民族の世界像」三省堂

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2007年3月25日 (日)

映画「モンゴル」のキャスティングについて

前回から引き続いて「モンゴル」気になりついでに、キャストについてあれこれ妄想中(笑)。

テムジン(チンギス・カン)…浅野忠信
公式サイトの一番最初の役者が紹介してある所に、出た映画「座頭市」「御法度」なんて書いてある。
さすが北野武、ヨーロッパ方面で強いんだナーと思った。
世界的に知られた俳優で、ぎりぎりモンゴル人に見える顔って事で日本人なんだろうか。
顔ってことなら、香港人でもいいじゃん、とか思うけど、神道はシャマニズムに近いという印象があって、それで当時のモンゴル人ときっと通じるものがあるに違いない、と思われての起用かも(妄想でふ)。

ボルテ(テムジンの妻)…フラン・チュルーン
モンゴル語的には「チョローン」の方がひょっとしたら近いのかも。(ロシア語から起こしてるのですまんこってす。)
この人はもともとは役者でなく素人。モンゴルの大学3年生、21歳だそうだ。
それにしても、この人の演じるボルテは若いときから肝っ玉母ちゃんの片鱗が~(笑)。

ジャムカ(テムジンの親友)…スン・ホンレイ
パート1でどこまでやるのかわからないが、とりあえず最初はアンダ(親友)ってことで。
スン・ホンレイは「セブン・ソード」とか「初恋のきた道」とかに出てる。けど、どれも見たことないからわからんなー。

エスゲイ(テムジンの父)…バーサンジャプ
NHK大河ドラマ「北条時宗」のクビライ役の人ですね。
こらえ性がなく、連続モノをたいてい見ない自分が、「北条時宗」の時は、一年間、毎週日曜日には、8時になる前にテレビの前に正座して待ってたもんだった、クビライが見たいばっかりに(爆)。クビライが出た日はもう大喜び、出ない日は翌日まで(圧倒的に多いわけだが)どよーんとしてた気がする。
これがいわゆる萌えってやつなんでしょうかね~~~(笑)。

クビライ萌え~。

で、今度はエスゲイなのか…すぐ死んじゃうんだよね、きっと。あうあう。

ホエルン(テムジンの母)…アリヤ
で、エスゲイ父ちゃんが死んじゃったあと、テムジンやその弟妹たちを育て上げた肝っ玉母ちゃん。
女優のアリヤさんはどんな人かわかんないです。

タルグタイ…アマドゥ・ママダコフ
タイチウドの領袖タルグタイ・キリルトゥグ。テムジンの最も初期の敵役ですな。公式サイトに枷にはめられてる子供テムジンの写真があるけど、あれやったのこいつ。子供を虐待する非道いオヤジだ(笑)。
でも、一番最初にテムジンのすごさを見抜いた人を見る目のある人物とも言える。だからこそ執拗に殺そうとするんだろう。
ママダコフは、「東部戦線1944(2002年)」という映画でアレクセイ・クラフチェンコ(「炎628」「シティ・コネクション」)と競演してる。
インタビュー読むとアルタイ人のようだけど、キプチャクの出だとも言ってる。アルタイ人って幾つかの部族の総称みたいだから、細かく見ると出自はいろいろだったり、でも各々ちゃんとわかってたりするのかもしれない。
そういえば、黒澤明監督の「デルス・ウザーラ」のデルス役マキシム・ムンズクもトゥバ人だったりして、南シベリアはシャマニズムのメッカ(爆)というイメージがあったりして。

デイ=セチェン…ヘー・ツィー
わかりません。

子供の頃のテムジン…オドナン・オドスレン
子供の頃のボルテ…バヤルツェツェグ・エルデネバト
子供の頃のジャムカ…アマルボルド・トゥフシンバヤル

子役は全員わかりません。名前はモンゴル人っぽいけど。

ソルカン=シラ…ア・ユエル
この人もわからない。なに人ともつかない名前に見えるけど、わかる人にはわかるんだろうナァ…。

中国方面に詳しい人ならわかるのかな。
わかる方、教えてくだされ~。

追記:
9月20日記事今日封切り!(ロシアで)映画「MONGOL」に予告編、トレーラーをまとめてみました。

2008年4月7日記事映画「モンゴル」見てきた。

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2007年1月10日 (水)

映画「デルス・ウザーラ」

デルス・ウザーラDersu

1975年ソ連
監督:黒澤 明
キャスト:
ウラジーミル・アルセーニエフ…ユーリー・ソローミン
デルス・ウザーラ…マキシム・ムンズク

 これは、ヘディンが楼蘭を掘ったり、コズロフがカラホトを掘ったりしていた頃の話。

 デルスはゴリド(現在は自称に基づきナナイまたはホジェンという)だが、ここではあまり重要でなく、「先住民=無垢の自然の子、ロシア人=知識先行の都会人」という図式で描いている訳ではない。アルセーニエフだって筋金入りの探検家・軍人で、ひ弱な都会の学者ではないのだから。

 第一部…1902年。
 ウスリー地方を探査するアルセーニエフの一行は、あるときタイガの中で何とも言いようのないいやーな感じがして、その日は野営することにした。木の形さえも不気味に思いながら寝付かれないでいると、何かが近づいてくる音がする。
「熊か?」
と緊張するアルセーニエフ等の前に
「撃つな。わし、人間。」
と言って出てきたのがデルス。トコトコっと近づいてきて、自分の家のように当然のようにたき火の前に座ってキセルをふかす。しかもメシを所望する。
 見た目はちっこいおっちゃんで、いつもてけてけ動いていて、威厳もへったくりもないので兵士たちは最初少々馬鹿にしていたが、タイガについての知識や鋭い観察力、銃の腕前、利他的な行動等々に誰もが尊敬するようになっていた。

Dmap ハンカ湖のシーンがものすごい。
 ハンカ湖は東京湾の二倍くらい(目測で)の大きさの湖。アルセーニエフは兵士たちに荷物を預けて氷結した湖面をデルスと二人で調べているうちに、強風が足跡を消し、道を見失ってしまう。
「方向はあっているのだが。」
とアルセーニエフは言うが、ああいう真っ平らなところでは方向があっていても、角度が1度違うだけでとんでもない所に出てしまうのだ。しかも、日没が迫りどんどん風が強くなっていく。見ているこちらの背中の毛まで逆立った。


 第二部…1907年。
 再びウスリー地方の探査にやってきたアルセーニエフ。
 デルスに会えるかな?会えるかな?と期待しているんだけど、ちょっと待て。北海道と比べてこんなに広い地域でバッタリ会うってあり得ないでしょうが(笑)。
 でも、まぁ、噂はデルスにも届いたんだろう、再会することができた。

 しかし、一見、荒々しい自然は以前と変わりないように見えるのだが、中国人の仕掛けた罠に出くわしたり、フンフーズ(馬賊)と遭遇したり、確実に人間の痕跡がタイガを浸食していた。トラ(デルスは「アンバ」と呼んでいる)が探検隊につきまとってくるのもたぶん、それと関係している。

5/23追記:フンフーズは漢字で紅■子。
 ※■は、髪という字の友の代わりに胡を書いた字

 野生の動物にとって、年老いて五感が衰えたり怪我をして動けなくなるという事は、即、死を意味する。しかし、人間は街を築くなどして弱い者でも生きられるように工夫してきた。だから、視力が衰え自分で獲物が捕れなくなったデルスがハバロフスクで暮らすというのは、人間らしい行動だと思う。
 しかし、森の人・デルスは移植できない植物のように、街の暮らしに堪えられない。かといって自然の法則に従う限り、タイガへ戻ったところで生きていくことは許されないのだ…。

********

 最初、黒澤監督は北海道でロケするつもりでシナリオ書いたっていう話だけれども、それって北海道に置き換えるってことなのかな? でも翻案しちゃったら、アルセーニエフの原作の意味ないじゃん。極端な話、例えば現代の下町に置き換えても良いような普遍的な主題の話なのだから。
 アルセーニエフ原作を現地でロケして現地の役者で撮れて本当によかった。
 …ムンズクはトゥバ人で現地の人でないじゃん、というツッコミはこの際ナシの方向で(笑)。


マキシム・ムンズクが出演している他の作品→「シベリアーダ

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2006年12月28日 (木)

映画「石の花 ウラル地方の物語」

石の花Ural

1946年ソ連
監督:アレクサンドル・プトゥシコ
キャスト:
ダニーラ…ウラジーミル・ドルージニコフ
銅山の女王…タマーラ・マカーロワ
カーチャ…E.ジェレーフシコワ

ソ連初の総天然色映画だそうだ。
ウラルの特産・孔雀石(マラカイト、銅鉱床から取れる)を細工する天才職人のダニーラは、職人としての技を極めたいと望む。そのためには年に一度花を咲かせるという「石の花」を見なければならないと願うあまり、銅山の女王に魅入られてしまい、カーチャとの結婚式をすっぽかして姿を消す。そして…。
…と、スジは単純だが、絵に色が付いたことを喜んで作ったような楽しい雰囲気が気持ちいい。
女王は最初、冠をかぶったトカゲの姿で現れ、銀鱗の輝く衣装を着ていて、竜王(女だけど)のようだ。
ま、直訳だと「銅山の主(ハジャーイカ メードナイ ガルィ)」だし、イ族などでは竜は山に棲んでるものだし、竜王と言っても間違いじゃあるまい(笑)。

最初の方のシーンで、マラカイト細工の名人の爺さんがペーチカの上で寝ていたり、ダニーラとカーチャの結婚式など、帝政時代のロシアの田舎の様子を目を皿のようにして見てしまった。カーチャの花嫁衣装の髪飾りって、「射鵰英雄伝」でコジン(チンギスの娘)がしてた髪飾りと同じじゃん。あーつながってるつながってる(笑)。


関連作品:
アレクサンドル・プトゥシコ監督の他の映画→「巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ」「妖婆 死棺の呪い」「虹の世界のサトコ」
ドルージニコフが出演している他の映画→「シベリヤ物語

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2006年12月26日 (火)

映画「シベリヤ物語」【完全版】

シベリヤ物語Siberia

1947年ソ連
監督:イワン・プィリエフ
キャスト:
アンドレイ…ウラジーミル・ドルージニコフ
ナターシャ…マリナ・ラディーニナ

先の大戦での負傷のためにピアニストになることを断念した青年アンドレイ。故郷のシベリアでみんなに求められてアコーディオンを演奏するうちに自分の音楽とはなにかをつかんでいく。

ミュージカルのような感じのラブコメで、アンドレイがアコーディオンを弾き、シベリアの歌を歌うと、その場の人々が自然に唱和してくる。これが歌声喫茶のもとになっているのか、と感心したが、知ってる歌は全然無かった。
…いや、そもそも歌声喫茶を知らなかった(笑)。

都会の洗練されたクラシックよりもシベリアの人々に愛される歌をってのがいかにも社会主義国に好まれそうな展開だが、別にこれは社会主義国に限ったことでなく、いつの時代にも通じる話だろう。字幕の「餃子(ペリメニ)」「密林(タイガ)」「ソ同盟(ソ連邦)」といった訳語に時代を感じる。工場の煙突から黒煙がもくもくって様子が誇らしげに映されているのも現代から見ると違和感があるなぁ。

ま、それはそれで味なので良いけど、シベリアっ子はイェルマクの子孫かよ~。
我々、征服されちゃってるぞ(笑)!
しかも念の入ったことに、イェルマクがシベリアに侵攻する戦闘シーンがで再現されてるし!
なんだかちょっとおもしろくないぞ~(笑)。


関連作品:
ウラジーミル・ドルージニコフ出演「石の花 ウラル地方の話

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