2024年8月 7日 (水)
2024年7月29日 (月)
2023年12月19日 (火)
映画「父は憶えている」
映画「父は憶えている」
2022年キルギス/日本/オランダ/フランス
監督:アクタン・アリム・クバト
キャスト:
クバト…ミルラン・アブディカリコフ
ウムスナイ…タアライカン・アバゾヴァ
ザールク…アクタン・アリム・クバト
事故で記憶も言葉も失ってしまった父(ザールク)が、23年ぶりにロシアから帰ってきた。息子のクバトは、肉親の情から、ずっと探していた父が帰って来てうれしい反面、全てを忘れて自分の記憶の中の父のイメージとはかけ離れて、まわりに迷惑ばかりかけている(と、彼には思えた)父に困惑する。
これ、日本であっても、認知症の親に接する子供は、こんな気持ちになりそうだなぁ。
でも最後は、ボケているように見えても、いや本当にボケていたとしても、憶えていたいことは憶えているじゃん!とほんわかした気分になるね。他の、昼間っから酒飲んだり、酒飲んで自動車運転したり、金を無心したりしているオッサン(ザールクの昔の知り合い)より、よっぽどまともよ?
ゴミ集めのことも最初息子は、「みっともない」って言ってるけど、村の人たちがポイ捨てしたゴミを掃除してるだけだし、最初から悪いこととは思えなかったなぁ。まぁ、最後の方では、息子も村の人たちも、きれいにするのは良いことだ、となっていたから良かった。
映画の本題とは関係ないかも知れないけれども、この人たち、なんで食って行っているのか不思議に思った。何もないもんね。キルギスというと、遊牧民の国というイメージがあるけど、遊牧どころか牧畜も行っていないようだし。家で消費する程度の家禽や牛馬はいそうだが(鳴き声は多少聞こえる)。
水が豊富そうなので、畑かな? カパカパな土の畑は少し見えるけど、何か植わっているようには見えなかったんだよねぇ。工場とかもなさそうだし…。村のちょっと成功したヤツみたいな男も、町へ行って稼いでいるみたいだし。まぁ、でも、日本の田舎で何もなさそうな所でも、みんななんかして食ってるから、似たようなものなのかな???
しかし、ゴミ問題はすごいねぇ。ポイ捨てぶりに、こりゃヒデエ……と思った。アニメ「ルパン三世」第一期の最終回に当時の夢の島が描かれているけど、あれに匹敵する。台風やら大雨やらの後、近所の海岸に行くとものすごい量のゴミが漂着しているから、今の日本人のマナーも大差ないと思うけどね。
2022年12月 8日 (木)
2022年8月13日 (土)
2022年8月11日 (木)
2022年8月 8日 (月)
2022年6月11日 (土)
コミックマーケット100に参加します
群雄はコミックマーケット100(Comiket100)に当選しました。
2022年8月13日土曜日 東Q12bです。
世にも珍なる薛延陀ネタ「ウンゲトゥの石人」の準備はしているんですが、間に合うかなぁ……という感じです。
とりあえずは前回のコミケで出したバルトリドの「アニー マヌチェ・モスクのペルシャ語碑文」をよろしくお願いします。
あー、でも一般入場は今回も抽選でしょうから、まずはそれに当たらないといけませんが!
2022年5月27日 (金)
ついに出た『集史』「モンゴル史」部族篇の日本語訳!
お?
おおっ?!
おおおお!!
一面じゃないですか! 風間書房さん!!
ついに出ました。
『集史』「モンゴル史」部族篇 訳注ぅぅううう!!!
……まぁ、発行は先月だったんですけれど。ようやく世に出ました。
2年くらいこれに全力を注ぎ込んでいたので、ブログ書き込みがおろそかになっていましたが、ようやく何か書く余裕が出てきました。なにしろ、版下もカバーデザインも自分でやったので、いろいろいっぱいいっぱいでして。
それはともかく、モンゴルに興味のある人におすすめです! チンギス=ハンに関係のあるいろいろな人が出てきて、しかもキャラが立っているので、教科書の中でしか知らない様な人でも、あの人はああだったのかなー、こうだったのかなーと想像が広がり、血肉のある人間として感じられるようになりますぞ。
2020年8月16日 (日)
『モンゴルの親族組織と政治祭祀 オボク・ヤス構造』を読んで考えたことなど
『モンゴル史(集史)』ロシア語版を訳しているとき、悩んだことの一つがローヂチ(родич)の訳。
そもそもこれ、モンゴル語の何の訳なんだろう? アカ・ヴァ・イニと一緒に出てくる印象があったので、オボクの訳なんだろうか? じゃあ、ロート(род)がウルクかな???と思っていたが、ラシード原文のペルシャ語を見ているワケではないので、想像の域を出なかった。
そんなとき、楊海英著『モンゴルの親族組織と政治祭祀 オボク・ヤス構造』という本が出ているのを知り、これで謎が解けるかも、と思って即ポチした。
読み始めて間もなく、30ページにモンゴル語とロシア語の対照表が出ていた。
積年の悩みに決着が!と胸が高鳴ったのだが、思っていたのと何か違うような?
というか、この本、ウルクが全く出てこない。最終章にようやく出てきて、ウルクはオボクのテュルク語的表現だとひとことで終わり。そ、そうだったのか?
つまり、ウルクとオボクには差がなく、差がないところに無理に違いを見いだそうとしていたから混乱しまくっていた(←自分が勝手に)ってこと?
とはいえ、『モンゴル史(集史)』も「部族篇」しか訳してないので、『集史』全体では違うのかもしれない。しかもロシア語の時点でいわばモンゴル語→ペルシャ語→ロシア語の重訳だから、もとのモンゴル語がどの程度反映されているかわからないよなー、と思い、とりあえず「部族篇」も一部訳しているスミルノヴァさん訳の「祖先紀」「チンギスカン紀」で、ロート(род)が何の訳かハッキリ書いてある箇所をピックアップしてみた。
ナサブ(nasab)5箇所
ウールーク(ūrūġ)2箇所
カビーレ(qabīle)6箇所
ナスル(nasl)4箇所
クドゥード(qu ̒dūd)3箇所
ヘイル(kheyl)2箇所
シャヂャル(shadjar)1箇所
アスナーフ(aṣnāf)1箇所
……って、バラバラやん!(笑)結局、一般的にロートに訳されてるのは普通のペルシャ語なんだろうな?
どんどん群盲象を撫でる的な方に行ってる気がするので、余談は脇に置いとくとして。
『モンゴルの親族組織と政治祭祀 オボク・ヤス構造』そのものは、とてもおもしろかった。モンゴルの部族や氏族の名称について、今まで、全部個別案件、それぞれ来歴をたどらなきゃダメかとあきらめていたものが、オボク、ヤス、オトク等から考えて、これほどスッキリわかりやすく系統づけられたものはなかったように思う。「だいたいこんな感じ?」と漠然と感じていたことともピタリ合ってる。
ただこれ、『集史』『秘史』あたりでモンゴルの部族名と系統というか関係性が頭に入っていないと、とっつきにくいかもしれないな。逆にそれがわかると、チンギス時代のあの部族が、今はこうなってああなっているんだ、と面白さ倍増。
モンゴル帝国時代が現代モンゴルにも生きている感じがしてとても良い。
より以前の記事一覧
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